勿来町の85歳女性強盗殺人事件 犯行は3日午後と推定 けさは立哨警戒も
いわき市勿来町の民家で、家人の同市勿来町窪田町通一丁目、無職小松ヤス子さん(85)が殺害され、室内が物色された強盗殺人事件。死因は重症頭部外傷で、後頭部や側頭部に傷や出血がみられることから、背後から襲われたとされる。
事件は、別居する長男(58)が3日午後7時ごろ、母親と連絡が取れないことを不審に思い、実家を訪ねて発覚した。小松さんは玄関から間もない1階廊下に仰向けで倒れていた。遺体が発見された当時、玄関と勝手口の鍵は開いており、居間の引き出しや台所の戸棚など、広範囲にわたって物色されていた。
いわき南署に設置された捜査本部は180人態勢で、鑑識作業や付近の聞き込み、防犯カメラ、ドライブレコーダーの確認に加え、巡回・立哨を通じて、不安に感じる住民に寄り添っている。
小松さんの頭部は骨折しているため、捜査本部は後方から鈍器で、複数回殴られたとみている。周辺の防犯カメラの映像には、小松さんが3日正午ごろ、自宅に向かって歩く姿が記録されており、殺害されたのは同日昼過ぎ以降とされる。
親族や近隣住民は、小松さんの人柄について、「とても優しく、恨みを買うような人ではない」と口をそろえる。一方で勿来町や錦町などに複数の土地を所有し、資産家としても知られていた。
捜査本部は6日、近隣住民の不安を解消するため、児童・生徒の登校時間帯に合わせて、立哨による警戒活動を行った。
現場から北西に約800mに位置する勿来一小の周りでは、署員に加え、福島市の県警本部から応援で駆け付けた警察官が、遠藤真由美校長やPTAの保護者らと一緒に、子どもたちの姿を見守っていた。