浜通りに国認定の自転車道を 官民一体で研究会発足 レース開催にも意欲
復興サイクリングロード「いわき七浜海道」をはじめとした浜通りの地域資源を生かし、自転車を活用した観光「サイクルツーリズム」を推進するため、日本を代表する自転車道「ナショナルサイクルルート(NCR)」認定に向けた民間事業者の研究会が1日、新たに発足した。
名称は「ナショナルサイクルルート認定を見据えたサイクリスト受け入れ体制研究会」。国内に限らず、コロナ禍後のインバウンド(訪日外国人旅行)を念頭に、外国人サイクリストに訴えることで経済効果を狙い、復興に向けて歩む福島の現状を世界に発信したい考えだ。
NCRは、サイクリングを通して日本の魅力を国内外に発信するため、国が指定している自転車道で、総延長距離約70kmでサイクリストの人気も高い広島~愛媛区間の「しまなみ海道サイクリングロード」をはじめ、6カ所が認定されている。
ルートの延長がおおむね100㌔以上(離島・島しょ部除く)で、走行時の安全性を第一に、アクセスを考慮した道の駅などの駐車場を有する拠点「ゲートウェイ」、サイクリストが安心して宿泊できる環境が整備されているか――などといった要件を満たす必要があるが、国や日本政府観光局のプロモーション、社会資本整備総合交付金などの支援、ブランド価値の向上といった大きな恩恵が得られる。
会長を務めるのは、双葉郡川内村の井出茂川内村商工会長。ワンダーファーム(四倉町)の元木寛代表取締役を副会長、常磐に事務局を置く日本パラサイクリング連盟の権丈泰巳専務理事と、県いわき地方振興局の吾妻嘉博局長を顧問にした。
初回の研究会は、ワンダーファームで行われ、外国人サイクリストの誘致を視野に入れた環境整備の必要性を確認するとともに、地域振興と世界に向けた情報発信を図るため、ゆくゆくは「福島復興」の名を冠したサイクルロードレースを開催してきたいとの意思を共有した。
6月にも次回の研究会を行い、専用のインターネットサイトやSNS(交流サイト)を開設するなど、具体策の検討を進めていく方針だ。