文化庁100年フードに「ウニの貝焼き」選定 いわきの郷土料理として
いわき市の名物「ウニの貝焼き」が、文化庁で長年親しまれている食文化を認定する「100年フード」に新たに選定された。100年フードは、多様な食文化の継承・振興を図る取り組みとして、昨年度から始めた事業で、いわき市からは初年度に「あんこうのどぶ汁」「サンマのポーポー焼き・サンマのみりん干し」「メヒカリの唐揚げ」が挙げられた。
ウニの貝焼きは、「伝統~江戸時代から続く郷土の料理~」の分野で選ばれた。ホッキ貝の貝殻に生のウニをぎっしりと盛り付け、小石の上で蒸し焼きにした郷土料理として知られ、ウニの甘みが特徴的な味わいとなっている。江戸時代の後期に作り始めたいわれを持ち、贈答用でも重宝されている。
毎年5月にウニ漁が解禁されると、〝浜のかあちゃん〟と呼ばれる漁師の妻や母が、貝焼きを一つ一つ丁寧に作る姿は季節の風物詩となっている。東京電力福島第一原発事故の影響で、ウニ漁が自粛されたため一時は取りやめていたが、現在は復活している。