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いわき市 全国初の高度外国人材巡る連携協定 浪江・福島研究機構と連携も

 市は15日、発ジャパン(東京都八王子市、鈴木隆史代表取締役社長)、いわき産学官ネットワーク協会(猪狩正明会長)との3者で、高度外国人材の活用や海外展開、次世代経営者の育成などを目指した連携協定を締結した。高度外国人材とは、専門的な知識や技能を持ち、日本の企業や研究機関などで働く外国人を指す。自治体が高度外国人材を巡り、連携協定を結ぶのは全国で初めて。
 これまでの外国人労働者は、技能実習生が主流で、日本で身に付けた能力を母国で生かす考えだったが、高度外国人材には採用人数や滞在期間などの制約がない。
 出入国在留管理庁では高度外国人材について、「わが国の産業にイノベーションをもたらす」と指摘しており、政府も人材獲得の国際競争力の観点から、在留資格に新たな枠組みを設ける検討を進めている。
 発ジャパンは、中小企業の経営者たちによる合弁で設立され、海外の関係機関との接点を生かして、高度外国人材の活用や、グローバルマーケティングの機会創出といった事業を手掛けている。
 同社には全国1000以上の企業や金融機関、行政組織とのつながりもあり、それらを生かした波及効果や課題解決が可能となっている。
 市では協定を踏まえ、4月に双葉郡浪江町に発足する組織で、東日本大震災・東京電力福島第一原発事故を踏まえ、世界最先端の研究開発と人材育成を担う「福島国際研究教育機構(F―REI)」との連携も視野に、優れた外国の研究者の知見を生かしたい考えだ。
 締結式は15日、平字一町目のいわきワシントンホテル椿山荘で開かれ、内田市長、鈴木社長、猪狩会長によって協定者が交わされた。
 協定にあたり、内田市長は「F―REIには、海外からトップレベルの研究者が集うため、いわきの産業界に還元できるよう、きょうを出発点にしたい」と語った。また高卒段階で市内の若者の約6割が、市外に流出する現状にも触れ、協定を通じて魅力ある産業を構築する展望を示した。

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