いわき市に社会福祉協議会の連携組織発足 原発事故による避難踏まえて
東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う避難者のさらなる地域支援強化を図るため、「いわき市内配置避難者地域支援コーディネーター一元化にかかる協定」が締結され、活動拠点となる「社協連携避難者支援センターいわき」が12日、平字菱川町の市社会福祉センター4階に開所した。
県内で最も避難者を受け入れている、いわき市社会福祉協議会(強口暢子会長)と、原発事故が発生した双葉郡富岡、楢葉、大熊、双葉、浪江の5町社協が連携。週3回にわたり、各地域で実施する事業や住民の生活課題を共有しながら、避難者1人ひとりが現住居で安心して暮らせる環境づくりに努める。
避難者地域支援コーディネーターは、震災の発生から10年以上経過し、入居者の高齢化など避難者の抱える課題が多様かつ複雑化していることから、県社協が昨年度新たに設立した。
現在、県内21市町村に32人のコーディネーターが配置されており、見守り訪問、サロンなど地域と避難者のつなぎ役の役割を果たしている。それぞれの担当区域で活動してきたが、市や町の垣根を越えた地域間の連携を密にする上で、現在約1万7千人の避難者を受け入れ、約2400人が復興公営住宅に住んでいる、いわき市を拠点に活動を一元化することを決めた。
今後は各社協から避難者地域支援コーディネーター7人が集まり、復興公営住宅の現状を把握した上で支援方針を作成するほか、関係団体や地区協議会、避難元・先の民生児童委員との情報交換、避難者の定期的な居場所づくりなどを実施。将来的には団地外の避難者支援、市社協の「住民支え合い事業」「つどいの場創出支援事業」の展開などにつなげていく。
支援センターの開所式で、強口暢子市社協会長が「5町といわき市の皆さまと一体に、県社協の支援を受けながら活動を発展させることで、避難生活の支援につながることを願っている」とあいさつした。