F―REI設立記念シンポジウム開催 地元の企業や学生との意見交換も
東京電力福島第一原発事故からの復興を目指して、国内外の研究者が集う拠点として、1日に双葉郡浪江町に発足した「福島国際研究教育機構(F―REI、エフレイ」の設立記念シンポジウムが15日、平字一町目のいわきワシントンホテル椿山荘で開かれた。
シンポジウムには、オンラインを含めて約640人が参加し、渡辺博道復興相と内堀知事があいさつに立ち、岸田首相や国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長らからビデオメッセージが寄せられた。
はじめに山崎光悦理事長が事業紹介を行い、福島・東北の復興に向けて、日本の科学技術をけん引する組織を目指していくと、F―REIの意義を強調した。
国際放射線単位測定委員会(ICRU)のバンサン・グレゴワール委員長と、IBMフェローで、日本科学未来館の浅川智恵子館長の招待講演に続き、地元の企業や学生・生徒が自らの取り組みを交え、F―REIに期待する点を示した。
また、山崎理事長を進行役としたトークセッションも実施され、20年後の浜通りの行く末やF―REIのあり方をテーマに、意見交換が繰り広げられた。
登壇者のうち、東日本計算センター(平字研町)の鷺弘樹代表取締役社長は「F―REIには地域の司令塔を担い、産学連携から先のビジネス化のピースになってほしい。そしてぜひ生活者として、地域とのかかわりを深めてほしい」と呼びかけた。
福島高専専攻科2年の高橋知輝さんは「小中学生の頃から、理系に触れる機会が大事だと思う。F―REIには、理系に進む原動力になってもらうことで、浜通りから研究者を輩出する環境が整ってほしい」と期待感をにじませた。