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新たな心平の魅力を 生誕120周年で「海」テーマに企画展 小川の文学館

 小川町の市立草野心平記念文学館は、草野心平生誕120周年記念企画展「草野心平の詩 海は己れの海鳴りをきき。」を開催している。いわき民報社などの後援。小川町出身で、蛙の詩人として知られる草野心平(1903―1988)が、今年で生誕120年を迎える中で、企画展では海にまつわる詩など約100点を紹介しており、古里の海から遠く北洋をイメージした作品まで、心平の世界観をひも解く展示となっている。
 心平は蛙をはじめ、天や富士山、石を主題とした詩が多いが、海もまた本人は相当数書いたと自覚しているという。企画展にあたり、粟津則雄名誉館長は「本展が生誕120周年を迎える詩人の新たな魅力に気付き、その詩に親しむ機会になればうれしい」と話す。
 1966年の「磐城七浜」では、古里の海を描いている。かつては全裸の漁師たちが威勢よく掛け声を挙げ、いまではコンクリートの防潮堤が伸びて、太平洋には大きな船が鎮座する様子を交えながら、イワキに片仮名のするどさ、いわきに平仮名のなだらかさ、そして磐城に漢字の頑丈さを持つと伝えている。
 会場ではこのつながりから、磐城七浜を擬人化した「いわき七浜イケメンプロジェクト」のパネルも設置されている。
 また心平は絵画にも関心を持ち、旧制磐城中時代には美術部「X会」に所属し、1956年にはアマチュアのデッサングループ「竹林会」に参加した。旅先でのスケッチを習慣とし、企画展では米国ハワイのダイヤモンドヘッドをモチーフとしたパステル画や、創作活動に没頭する心平の写真も飾られている。
 6月25日まで。時間は午前9時から午後5時まで(入館は同4時半)。13日と6月3日の午後2時からは、学芸員によるギャラリートークも行われる。申し込み不要(要観覧券)。

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