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磐城農業高 規格外品で「トマトの石けん」開発 20日に小名浜で販売会

 植田町の磐城農業高は農業クラブの生徒たちを中心に、同校で栽培した規格外のトマトを活用した石けんを開発した。同校では令和3(2021)年、同じく規格外のナシを使った石けん「BANNO SOAP(バンノウソープ」を生み出しており、今回も泉町下川の自動車関連企業で、天然石けんも取り扱う「GSautoJapan(ジーエスオートジャパン)」が協力した。20日にはイオンモールいわき小名浜で、発表会と販売会を予定しており、当日に向けた準備を進めている。
 校内で育てているトマトは、一定数出荷に適さないものが生じるため、これまでは廃棄を余儀なくされていた。生徒が一生懸命に栽培に取り組んでいる中で、ナシと同じように石けんに加工できないかと考えた。新たな6次化商品になる上、フードロスや持続可能な開発目標(SDGs)の実現に向けても、トマトの石けん開発に着手することを決めた。
 ただ石けんとして販売するためには、定められた規格を満たす必要があった。この点は農業クラブ顧問として、ジーエスオートジャパンの三戸豪士代表が、自ら手がける石けんブランドの知見を提供し、今回も手洗いのみならず、顔から体まで洗える「化粧石けん」と認められた。
 名付けて「BANNO SOAP トマトの石けん」。パッケージも生徒たちがこだわった。ナシの石けんでは四角だったが、今回は赤色のトマトの形に仕上げており、上部は緑色のヘタを再現している。外装でもトマトと一目で分かる。
 農業クラブ会長の佐藤小雪さん(3年)は先輩に続き、新しい石けんづくりを結実させ、「顔から体まで全身に使える石けんなので、小さい子からお年寄りまで、幅広い年代の方々に使ってほしい」と期待を寄せる。
 市内唯一の農業高校に通うとあって、やはり規格外品の廃棄には胸を痛めていた。「魅力ある商品にトマトが生まれ変わってうれしい。多くの方に届いてもらえれば」と笑顔で語った。
 またこうした思いを広く知ってもらうため、動画でのPRも予定する。価格は1200円(税込み)。限定100個。20日は2階マリンコートで、午前11時からの発表会に続いて、同11時45分から販売会を行う。

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