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平の新川で「カミツキガメ」捕獲される 生態系の影響や人への被害懸念

 北米・中米原産で特定外来生物に指定されているカミツキガメが4日夜、平の新川で捕獲された。体長約70cm、体重7~8kgの成体のオス。県や市によると、県内の河川や沼等で繁殖(定着)が確認されたことはないが、市内では幼体を含め複数の目撃例がある。捕食対象となる魚類や両生類など生態系への影響や、陸上で人がかまれる被害などが懸念され、注意を呼びかけている。
 釣り上げたのは、勿来町の自営業鹿又将志さん(38)。カミツキガメの幼体が2年前、新川で捕獲されたという情報に触れ、産卵が可能なつがいや成長した子亀が生息していることを確信し、調査に乗り出した。
 5月下旬にカメが好む、流れがゆるやかな止水域を探し歩き、ポイントを選定。同じく特定外来生物のミシシッピアカミミガメを大量に釣り上げ、夏井川との合流地点付近で2回目の釣行となった4日午後11時ごろ、サバの切り身をえさにカミツキガメを釣り上げ、駆除した。
 環境省によると、体重約35kgまで成長する大型のカメで、80年生きるという説もあるほど長寿。1回の産卵に通常20から30個、多い時には100個以上の卵を産むことがあるなど繁殖能力が高い。千葉県の印旛沼周辺水域では繁殖が確認されているという。
 鹿又さんは「多くの繁殖が確認されている印旛沼周辺でさえ、捕獲できる確率は低く、防除に苦戦している。新川ですぐに捕獲できてしまったことが非常に気がかり。すでに多くのカミツキガメが生息し、本流の夏井川にも侵入している可能性がある」と指摘。産卵時期の5、6月は陸地に上がってくることが多いという。
 同省は「見つけたら、危険なので直接触らず、市町村か警察に連絡してほしい」としている。釣りの様子は、鹿又さんが編集している動画サイトYouTube(ユーチューブ)の「ツリアメ―釣りの日はいつも雨」で公開している。

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