旧磐城平藩主・安藤家に伝わる茶道・香道 新家元の綾冠さんが市長表敬
旧磐城平藩主安藤信正公(1819~71)の流れをくむ、御家流茶道十七世宗家、同香道十二世家元の安藤綾冠(りょうかん)=本名・園枝=さん(51)が9日、市役所を訪れ、内田市長と懇談した。
父で安藤家十六代当主綾信さんから武家のたしなみとして、長女の綾冠さんは2018(平成30)年10月、御家流茶道と香道の家元を襲名した。当主は引き続き、綾信さんが務めるが、同家は歴史上、いわき市と深い縁を持つため、代替わりに伴い早期の訪問を予定していたところ、長引くコロナ禍のためかなわなかった。
綾冠さんは、襲名後も東京・笹塚、横浜、高崎の各道場ほか、毎月第2木曜、金曜に来市し、会員に茶道、香道の作法などの指導している。29日は安藤家始祖を祀る「良善忌茶会」に臨む予定。
懇談は秘書課応接室で行われ、綾冠さんが襲名あいさつや、東京・護国寺で催した春の定期茶会の話題に加え、今後の活動予定などを話しながら、「家元は大役ですが、受け継いだ御家流茶道、香道を伝えなければならない。今後も古くからご縁のある、いわきの文化発展に尽くしていきたい」と抱負を語った。
内田市長は「私は剣道を続けていますが、同じ『道』を極めていくことは自身の励みになります。磐城平城本丸跡地の整備が完了したのちには、ぜひ茶会を開いてください」と述べるなど、互いの作法談義にも花を咲かせていた。御家流いわき会の武藤宗安会長が同行した。