水泳授業に民間委託 磐崎小 老朽化きっかけで 今後のモデルケースに
小名浜野田の「大教スイミングスクール」で、小学校の水泳指導の民間委託事業が行われている。対象は磐崎小(粥塚保則校長)の1~6年生で、各学年4回ずつ、同スクールの室内プールに通い、プロのインストラクターの技術指導を受けている。同小のプールが老朽で使えなくなったため、2021(令和3)年度にスタートし、今年度で3年目。施設の維持管理に伴う職員の負担が軽減され、「学校としてはメリットしかない」(粥塚校長)と言い、今後の水泳学習のモデルケースとして広がりを見せそうだ。
市教委学校教育課によると、市内の小、中学校に備え付けてある計94施設のプールのうち、約7割が築30年以上。築40年を過ぎるものも約4割見られ、近年は損傷も目立つようになってきた。同小のプールも損傷箇所が見られて使用できなくなり、調査の結果、プールの基礎部分に深刻な問題があることが分かった。
改修が難しいため、2021年度からモデル事業として、同スクールへの民間委託事業がスタートした。授業のある日は送迎バスで同スクールに通い、レベルごとに10人ほどのグループに分け、各グループ1人のインストラクターが付く。教員は安全管理と泳力の評価のみに注力でき、「指導の目が行き届くので、安全面でもメリットがある」という。
また、通常、水泳学習の期間は1日何度も水質チェックや薬剤散布といった管理業務が増え、スタート前には保護者ら総出で、プール掃除も恒例行事だった。こうした負担がなくなり、「教職員の働き方改革にもつながる」といいことずくめだ。
学習回数は4回のみと短いが、屋内プールのため天候に左右されず、予定していた日に確実に実施できる。準備や片付けに煩わされることなく授業をスタートでき、プロの指導を受けられるため、「泳力も目に見えて上がっている」という声も上がっているという。
同スクールによれば、全国的に地域のスイミングスクールへの委託事業が増えており、いわき市では初のケースとなった。