市漁協がウニの貝焼きをPR 内田市長「食べることが一番の復興」
市漁業協同組合(市漁協)は3日、いわき市の名物「ウニの貝焼き」をPRするため、内田市長を表敬訪問した。表敬訪問は市役所市議会棟で行われ、市漁協の江川章組合長、馬目祐市副組合長、新妻隆専務理事が訪れ、内田市長に箱に詰められた貝焼きを手渡した。
東京電力福島第一原発の汚染水を浄化した後の処理水を巡って、今夏にも海洋放出が予定されており、江川組合長もいつもは厳しい表情で対応に当たっているが、きょうばかりは「いわきの貝焼きは盛りが良くて、産地の中でも一番おいしいと思っている。(いわき市の水産物ブランドである)『常磐もの』は昔から地元の強み」と笑顔で太鼓判を押した。
内田市長は「(常磐ものを)食べることが一番の復興」と強調し、4日から市内で始まる全国青年市長会の北海道・東北ブロック会議でも、広くアピールしていきたいと話しつつ、「中はしっとりしていて、甘くておいしい」と試食の箸が止まらない様子だった。
馬目副組合長によると、今年は海水温が例年より高いため、エサとなる海藻の付きが悪いが、ウニそのものの甘みは強いほか、味も変わらずおいしいという。5月1日から始まった漁期は8月13日までで、いまが最盛期という。
ウニの貝焼きは、キタムラサキウニの身をホッキガイの貝に盛り付け、小石の上に乗せて蒸し焼きにした郷土料理で、江戸時代の後期に作り始めたいわれを持つ。採鮑組合の家族が貝殻に盛り付けして、蒸し焼きにして仕上げている。今年3月には文化庁が、長年にわたって地域で親しまれ、世代を超えて受け継がれている食文化をたたえる「100年フード」に認定し、市漁協では地域の誇りとして継承を誓っている。
こうした点から、内田市長は同じくいわき市の郷土料理で、100年フードとなっている「あんこうのどぶ汁」「サンマのポーポー焼き・サンマのみりん干し」「メヒカリの唐揚げ」も合わせ、将来的には県内外に発信するイベントも行いたいと呼びかけた。