水害支援にも尽力の「Teco」 市内初のグッドガバナンス認証
非営利組織の信頼性を定義した指標として、日本非営利組織評価センター(東京都港区、佐藤大吾理事長)=JCNE=が定める、27の評価基準を満たした団体に与えられる「グッドガバナンス認証」の認証団体が公表され、市内で初めて一般社団法人Teco(てこ)=小沼満貴代表理事=が選ばれた。
いわき市を拠点に、東日本大震災の被災者孤立・孤独防止、地域コミュニティの創生など地域に根差した事業を展開しており、県内での認証取得は2例目。小沼代表理事は、これまでの実績が認められたことに喜びをかみしめつつ、取得前と変わらず自然体で住民目線の活動に取り組んでいくことを誓った。
てこは、震災、東京電力福島第一原発事故により、故郷を追われた双葉郡民のコミュニティー支援に長く携わっていた小沼さんが、志を同じくする副代表の鈴木靖子さんらと、2019(令和元)年5月15日に立ち上げた。
その後、専務理事の神長舞さんが参加。「小さな力で大きく物事を動かす『テコノチカラ』になるべく、足元を灯す(より地域に根差した)活動を続けたい」との思いを掲げ、復興公営住宅で交流会を催すなどし、住民の心をケアしてきた。同年10月に東日本台風が発生すると、平下平窪の自宅兼法人事務所が被災。スタッフ自らも被災しながら、〝住民目線〟で居場所づくりのための交流サロンなどを続けている。
グッドガバナンス認証は、寄付や助成金、融資などの対象としても信頼性が担保できることから、「信頼の証」として優遇制度を設ける企業も現れるなど、注目度が高まっている。
市内では初めての取得となり、小沼さんたちは「目の前のことを日々積み重ねてきた」と、これまでの活動が認められたことを素直に喜んだ。同法人は、目の前の人に寄り添い自分たちも楽しむことを原動力に、〝高い機動力〟を持ち味としており、認証マークを活用したさらなる事業展開にも期待がかかる。
ただ、一貫して目標に掲げるのは「この地域に住まう喜びの実現」。地に足を付けた活動を基本とし、「これまでと同様、住民と同じ視点で、顔の見える活動を続けていきたい」と意気込んでいる。