マルト 常磐大との商品開発2年目始動 野菜摂取図るパン・スイーツ考案へ
いわき市や茨城県でスーパーマーケットで展開する「マルト」(本社・勿来町窪田、安島浩代表取締役社長)は13日、茨城県水戸市の常磐大と、新たな商品開発プロジェクトを始めた。マルトと同大との取り組みは昨年度に続いて行われ、同県の野菜摂取量を増やすことをコンセプトに、今回は学生の希望から新しいパンとスイーツを考案する。
初日には商品開発キックオフとして、マルトの担当者が同大を訪れ、同県の関係者も交えながら、学生との意見交換を展開した。
商品開発には、同大人間科学部健康栄養学科の飯村裕子准教授が主導し、本年度は2、3年の学生11人が参加した。同科は優れた管理栄養士の育成を目指しており、マルトとのプロジェクトを通じ、将来のキャリア形成の一助としていく。昨年度は同県産野菜を使ったサラダパック、餃子、どら焼きの3品を生み出した。
厚生労働省によると、生活習慣病予防の観点から、1日に必要な野菜摂取量は350gとしている。同県は2016(平成28)年度の調査で、男性290・9g、女性274・8gにとどまり、都道府県別でも中位に位置する(福島県は男性346・9g、女性314・3gでいずれも全国2位)。
一方で茨城県はピーマンや小松菜、チンゲン菜などの農業産出額が、2021(令和3)年で全国1位となっており、同県の担当者も、学生のアイデアを基に、野菜摂取量の向上が図られることを期待している。
商品開発キックオフを終え、飯村准教授は「昨年の取り組みでは、学生たちの成長を大きく感じた。管理栄養士として知識のみではなく、こうした実践によって、将来に向けて重要な経験となったと思う。今年の学生にも、ぜひ視野を広げる機会としてほしい」と語る。
マルトの安島大司・生鮮本部取締役本部長も「私たちも全力で、学生の皆さんの将来のため協力したい。地元のスーパーマーケットとして、人材育成を通じた地域貢献を目指す中で、一緒にチャレンジしていければ」と述べた。
パン担当代表の會田琴乃さん(3年)は「たくさん野菜を取り入れられるよう、ホウレンソウやカボチャ、ニンジンなどを活用したい」とさっそくアイデアを打ち出し、スイーツ担当代表の荒井陽菜さん(同)は「スイーツは見た目も大事なので、野菜の素材を生かしつつ、おいしく食べられるものを作りたい」と笑顔を見せた。
今後はマルトと同大による話し合いを踏まえ、学生による市場調査の実施や、試作を重ねていく予定で、今秋にも開発したパン、スイーツが販売される見通し。