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高校野球熱戦続く 磐城がいわき勢唯一の3回戦へ 昌平は監督の花道飾れず

 第105回全国高校野球選手権記念福島大会(県高野連など主催)は17日までに、2回戦を終了した。16日の試合では、磐城が3度の2点適時打などで清陵情報を下したものの、東日大昌平は第2シード学法石川に満塁本塁打を浴びて惜敗し、いわき光洋は九回に3点差を追いついたが福島にサヨナラ負け、勿来工業も中盤に原町に引き離され、いわき湯本は序盤のリードを守れず逆転負けを喫した。
 この結果、いわき勢では磐城ただ1校が3回戦進出を決め、19日午後2時からヨーク開成山スタジアム(郡山市)で、安積と対戦する。
 【2回戦=16日】東日大昌平5-6学法石川 磐城8-4清陵情報 いわき光洋7-8×福島(九回サヨナラ) 勿来工業6-2原町 いわき湯本3-5郡山 
 <東日大昌平 伊藤監督退任へ>
 〇…かつては球場全体にとどろくような大音声で選手を鼓舞し、チームを県大会優勝、東北大会ベスト4へと導いた伊藤博康監督だったが、今季はそのトーンも低くなっていた。絶対的なエースがいない投手陣をはじめ、走攻守で核となる選手を育てられなかった。それでも昨秋と今春の県大会にコマを進めたが、この福島大会での敗戦を最後に、約7年間の監督生活にピリオドを打つことを表明していた。その監督の母校で、第2シード・学法石川との一戦は、選手たちにとっても監督への恩返しとして勝たなくてはいけない試合だった。
 〇…2―2で迎えた六回、無死満塁のピンチで登板したのは主将で背番号1の三塁手・塚本臨太郎(3年)。2ボール1ストライクからの4球目。学法石川の代打・佐藤辿柊(2年)が「甘めの球が来たら絶対打つ」と待っていたところへ、「満塁だったのでカウントを取りにいったストレートが真ん中高めになってしまった」(塚本)。打球は右翼芝生席で大きく弾む満塁本塁打となった。本来は三塁手だが、チーム事情で背番号1を背負った。「3年間、監督にはきつい言葉をたくさんもらったが、迷惑をかけっぱなしだったので、この試合は絶対勝ちたかった」。試合中、ピンチでも笑顔を見せていた塚本の目から涙がこぼれた。
 〇…意地は見せた。八回には連続四球と塚本の安打で無死満塁。そこから山口和志(2年)と斎藤尚哉(3年)の連続犠飛、塚本の本盗などで1点差まで詰め寄った。伊藤監督は寮長も務めた。「学石時代の恩師に柳沢泰典監督がいた。わたしも選手には野球がうまくなると同時に、よい人間になれ、多くの人から応援される人間になれと言ってきた。勝たせてあげたかった」と言いながら、タオルで涙をぬぐった。九回表、東日大昌平の攻撃も二死。それでも塚本は裏に備えて投球練習を続けた。

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