夏の高校野球 磐城は3回戦で安積に7-3 あす4強懸けて会津北嶺と
第105回全国高校野球選手権記念福島大会(県高野連など主催)は19日、2球場で3回戦の残り5試合が行われた。いわき勢でただ1校勝ち残っている磐城は、郡山市のヨーク開成山スタジアムで、安積に7-3で勝利した。
磐城は初回に先制されたが、二回に本塁打で追いつくと、三回には連続四球を足がかりに無安打で逆転。さらに五回は3連打を含む5安打、打者9人の猛攻で4点を追加し試合の主導権を握った。守っては3投手が継投して相手打線をかわし、落ち着いた守備でピンチを切り抜けた。
21日の準々決勝は午前9時半から、メーンの福島市・県営あづま球場と、ヨーク開成山スタジアムで。磐城は正午から、開成山の第2試合で会津北嶺と対戦する。
<6大会ぶり8強へ 最終回ピンチも自慢の守り>
○…5点リードの最終回、磐城は無死満塁のピンチを迎えた。相手は16日の白河戦で九回に一挙6点を奪って逆転勝ちし、勢いに乗る安積。しかし次打者の難しい当たりを遊撃手の吉田拓生(3年)が無理にバックホームせず、二塁で1アウトを取った。さらに一・三塁。ここで併殺を恐れた安積が思い切って一塁走者を走らせたが、捕手で主将の折内康太郎(同)が刺した。安積の影山高見監督が「あの状況で冷静な守備をされた」と脱帽した磐城自慢の守りだった。
○…攻守のヒーローは高橋由伸(2年)だ。初回に先制された嫌なムードを、二回に自らの公式戦初本塁打で振り出しに戻した。「真ん中高めの甘いカーブ。投手のためにも早く点を取りたかった」。ガッツポーズを何度も繰り返し、チームのムードを盛り上げた。同姓同名の元巨人の名選手と同様の勝負強さは五回にも発揮。1死二・三塁から右翼へ2点適時二塁打を放ち、さらにはその裏、安積の鈴木一朗(イチロー)のセンターライナーをダイビングキャッチした。
○…コロナによる独自開催となった2020(令和2)年夏を除いて、6大会ぶりとなる21日の準々決勝。対戦相手の会津北嶺は2018(平成30年)から大会に参加した私学の新鋭で、県外出身者が多い。これまで夏はわずか1勝だったが、今大会は一気に3勝を挙げている。19日の試合では優勝候補の日大東北を破った郡山商業に6―0と完勝している。