平の版画家・坂本勇さん死去 地元モチーフの作品数々 棟方志功らと交流も
いわき市平下高久の版画家で、日本版画会名誉会員の坂本勇(さかもと・いさむ)さんが24日午後11時57分、老衰のため、市内の病院で死去した。92歳。通夜は8月3日午後6時から、告別式は同4日午前11時から、同市小島町三丁目2の2、せきのホールで。喪主は次男の秀樹(ひでき)さん。
坂本さんは平下高久生まれ。武蔵野美術学校(現・武蔵野美術大)で版画と出会い、中学校教員の傍ら、創作活動を展開してきた。棟方志功や斎藤清との交流でも知られ、国内外で作品を発表してきた。
いわき美術協会長なども歴任し、自宅にアトリエ「版幺洞(はんようどう)」を設け、地元の自然や風景をモチーフにした版画も数多く手がけてきた。いわき民報社主催「お母さんの似顔絵作品展」では、審査委員長として、子どもたちの自由な発想をたたえていた。
またライオンズクラブ国際協会332―D地区の2012―13年度ガバナーを務め、東日本大震災・東京電力福島第一原発事故から間もない中、復興に向けた奉仕活動に尽力した。家族によると、1カ月ほど前に入院するまで、作品の制作を続けていたという。