いわきFC 国内初 スタジアム整備に子ども・若者の声 8月に意見交換も
サッカー・J2いわきFCの新たなスタジアムの整備に向けて、運営会社のいわきスポーツクラブは29日、子どもや若者の意見を盛り込むための「ユースプロジェクト」を設立したと発表した。大倉智代表取締役は同日、21世紀の森公園・いわきグリーンフィールドで記者会見を行い、「いわき市・双葉郡の未来に向けて、将来を担う子どもたちの意見を反映させたい」と語った。
いわきFCの新たなスタジアムの整備を巡っては、6月に検討委員会「IWAKI GROWING UP PROJECT~想いを紡ぐ、地域を繋ぐ~」が発足した。社会とスポーツのあり方を専門とする上林功・追手門学院大准教授を座長に招き、いわき市や双葉郡などの有識者をメンバーに、分科会が展開されている。
来年3月までに報告書をまとめる中で、子どもや20代までの若い世代の意見を尊重するため、最初から議論に加わってもらう狙いから、ユースプロジェクト立ち上げを決めた。海外では一般的な考えとされるが、こうした取り組みは国内では初めてという。
8月18日には、初のワークショップ「ユースフォーラム」を開催する。ユースフォーラムでは、単にスタジアムの整備にとどまらず、地域の未来像などを話し合う。ここで挙げられた意見は、検討委員会に提案されるほか、出席者の中からユース委員を任命し、会合にも参加してもらう。大倉社長は「新しい発見を吸い上げるため、われわれ大人が持っている情報にはない視点が期待される」と話す。
記者会見には分科会のメンバーで、双葉郡大熊町の教育施設「学び舎(や) ゆめの森」の南郷市兵校長が同席し、「日本は大人が決めたことに乗っかる文化だが、子どもの意見を聞くことはグローバルスタンダード。彼らがこれからの時代の主役であり、大人と対等に議論することは大変重要」と語った。
ユースフォーラムの会場は、平の市生涯学習プラザ。時間は午後2時から4時まで。対象は、検討委員会やいわき・双葉郡の未来に関心のある小学1年から20代。申し込みは<こちら>から。締め切りは8月13日。
また29日には、ユースプロジェクトの一環で、ホーム・ジュビロ磐田戦を訪れた人に対して、子どもや若者を含め、新スタジアムへの意見を書いた付箋をボードに貼り付ける事業も行われた。