海洋放出で市独自にトリチウム検査へ 内田市長「市民の安全・安心のため」
内田市長は22日、政府が東京電力福島第一原発の汚染水を浄化した後の処理水について、24日に海洋放出を始める方針を決定したのを受け、市長直轄チームとして、いわき市独自に、放射性物質トリチウムの検査体制を構築すると発表した。
処理水からトリチウムは除去できないため、内田市長は「現時点では市民の不安が払しょくされておらず、理解醸成の途上であると考える。それでも国が放出に踏み切るのであれば、市民の安全・安心のため、しっかりと監視する」と強調する。
検査は、いわき市沿岸の沖合5kmで、国や東電が設けるモニタリング地点9カ所から外れる場所を選び、海水を採取する計画という。いわき市で水揚げされる水産物も、独自にトリチウムの値を分析する。
また、内田市長が報道各社の取材に応じた22日午後1時時点で、国から海洋放出の時期について報告がないとも明かし、「事前に連絡が欲しかった」と苦言を呈した。国と東電が「関係者の理解なしには、いかなる処分も行わない」と、県漁連と約束を交わした件にも言及し、「実現が難しい約束は、すべきでなかった。約束する以上は、しっかりと履行すべき」とも語った。