<防災の日>四ツ倉駅でJアラート・地震の複合訓練 平商業の生徒も協力
JR東日本は1日、関東大震災から100年となる「防災の日」に合わせ、東日本大震災に匹敵する大地震を想定した情報収集や、初期消火などの初動対応を確認する総合防災訓練を実施し、このうち常磐線・浜通りエリアでは四ツ倉駅で津波を想定した降車・避難誘導訓練を行った。
新型コロナウイルスの影響で、車両を使った訓練は3年ぶり。今年はミサイル発射などの緊急情報を通達する全国瞬時警報システム「Jアラート」を新たに訓練に取り入れたほか、列車通学する生徒たちにも避難手順を理解してもらおうと、平商業高の協力を得た。
生徒たちに加え、同支社と市、県警などの関係者約100人が参加し、「『海外から発射されたミサイルが日本上空を通過する』というJアラート警報を受け、四ツ倉駅を発車した下り列車が停車。対応中に福島県沖を震源とする震度6強の地震が発生し、津波警報が発表された」との想定で展開された。
車内のアナウンスでJアラートの発令が通達されると、参加者たちは被害を最小限にするために車内内側で態勢を低くして身構え、地震発生後は車外に避難。はしごを使い線路に降り、市の津波避難場所に指定されている高台の海嶽寺(四倉町梅ケ香)までの避難経路なども確認した。
JR東日本水戸支社も、高齢者や体に障がいを持つ利用客役を見立て、迅速かつ安全に避難させるための手順を再確認。いわき統括センターの小川郁夫所長兼いわき駅長は「震災から12年経ち、経験していない社員が多くを占めてきた。お客様を乗せてサービスを提供する鉄道の仕事なので、異常時に避難誘導できるようしっかりと取り組みたい」と意識を高めていた。
また、草野駅から通学をしているという、同校情報システム科2年の篠﨑花音さん(16)は「災害が来た時に冷静に行動できるかが不安だったので、動き方を学べてよかった」と訓練を終え、安どの表情を浮かべていた。