大雨被害で再開見通せない宮小 一帯はハザードマップ想定超える浸水に
8日から断続的に続いた台風13号による集中豪雨により、甚大な被害を受けた内郷宮町地区。児童58人が通う宮小(遠藤謙一校長)では、濁流が校舎1階部分をのみ込み、授業の再開が見通せない状況にある。今回越水し、地域に大きな被害を与えた宮川は十数mほど離れた南側に位置するが、同校を飲み込んだ濁流は西側から押し寄せたという。近くには河川、沢が宮川に流れ込む合流点と橋りょうが複数あり、流木やごみがふさいだことで校舎西側の道路が〝濁流〟化したとみられる。
「ショックの一言。1日も早く学校を元に戻し子どもたちを迎え入れたい」。敷地内の宮幼稚園の園長も務める遠藤謙一校長(53)は、連日の復旧作業の疲れを一瞬見せるも、気力を振り絞り黙々と作業にあたった。
水が引くと、教職員と連携し、校舎の被害状況の確認とともに児童の安否確認を急いだ。一部の家庭で浸水被害はあったものの、幸い全員無事だった。1階をのみ込んだ砂泥を前にし、途方に暮れたのもつかの間、保護者やボランティアの協力を得て砂泥をかきだし、持ち寄った水で机やいすを洗い流した。汚れた職員室の資料や図書館の本を2階へ。再開を待ちわびる子どもたちのため、蒸し暑い校内できょうも復旧作業に全力を尽くす。
市の浸水 (内水)ハザードマップに記載されている「浸水想定区域図」において、被害の大きかった宮小と、避難所となったにも関わらず、濁流が押し寄せた内郷二中では浸水は想定されていない。周辺地域のほとんどが同様で、浸水したとしても5~45cm程度だ。
ただハザードマップの想定条件は「1時間に91mmの降雨」。今回は〝想定外〟だったことが考えられ、マップの早急な見直しが求められる。