新常磐交通 15年ぶり本格的運賃値上げへ 10~70円 事業継続のため
新常磐交通(明治団地、髙野公秀代表取締役社長)は29日、路線バスの一部運賃について、11月1日から10~70円引き上げると発表した。2008(平成20)年4月1日に実施して以来、消費税転嫁を除いて、約15年ぶりの値上げとなるが、初乗り運賃170円は据え置きとする。
同社によると、原油価格高騰に加え、人件費の増加や深刻な運転者不足を解消するための諸経費、安全なバス輸送のための車両の更新など、増加する運行経費が背景にある。
同社では旅客動向に応じたダイヤ改正や不採算路線の縮小、業務改善などで経費の圧縮に努めてきたが、一般路線バス事業は大きな赤字を解消できていないといい、放置すると事業の維持が厳しいために今回の運賃値上げに踏み切った。
運賃引き上げによって、「いわき駅前~医療センター入口」区間は片道運賃が240円から250円になり、1カ月の通学定期は360円、通勤定期は420円増に。上げ幅の大きい区間としては、「植田駅前~上遠野」区間は片道50円増え、1カ月の通学定期は720円、通勤定期は1830円増になる。
また定期通学定期(スチューデントパス)は1万4千円から1万5千円に引き上げとなるが、100円運賃区間は継続する。