商工会 内田市長に豪雨被災の財政支援要望 内郷の事業者は6億円超被害
いわき地区商工会連絡協議会(会長・高橋孝光好間町商工会長)は3日、台風13号に関連した記録的大雨に伴い、被災した事業者の支援のため、内田市長に要望活動を展開した。宮川や新川が氾濫した内郷地区を中心に80超の加盟事業者が被災し、多くが中小企業・小規模事業者であることから、廃業を余儀なくされ、地域経済が衰退する懸念があると訴えた。同協議会では財政的な支援を求めており、内田市長は国や県の制度を踏まえ、市独自の上乗せも検討すると強調した。
要望活動は市役所応接室で行われ、高橋会長に加え、内郷商工会長を兼ねる湯沢良一副会長が訪れた。早期の復旧・事業再開に向けて、2019(令和元)年の東日本台風と同じく、激甚災害に指定された上で、復旧費の一部を補助する「グループ補助金」が適用されるよう要請した。
災害が地域経済に与える影響が大きいと判断された場合、企業などがグループを組み、提出した計画が認められると、施設や設備に関する費用の最大4分の3が、国と県から補助される。同協議会によると、東日本台風では、関連する31事業者がグループ補助金を活用した。
湯沢副会長によると、内郷地区では少なくとも68の事業者の被災が確認され、現時点の被害額は6億円を超える。拠点の内郷商工会館はJR内郷駅の西側に位置しており、2階建ての建物のうち、1階部分は床上1・2mまで浸水した。泥水につかった紙ベースの書類は、復活が困難なものもあるという。
自らは内郷白水町で石材業の「いわき石商」を営んでいるが、業務用の車両や重機はすべて水没してしまった。そうした中でも、会員事業者のため奔走している。「高齢者も多いため、新たな借金も難しい。このままでは内郷地区から会員事業者が出ていってしまい、街が沈んでしまう」と、内田市長に切実な状況を語った。
また内郷地区の特徴として、店舗兼住宅の事業者が多いが、床上浸水した高さによって、住まいの補償に差があると指摘する。湯沢副会長は「10cmの浸水も1mの浸水も、施す工事は変わらない。住民同士で揉めている現状があり、地域一律での対応を考えてほしい」とも伝えた。
こうした思いに、内田市長は「国・県にも掛け合い、一緒に汗を流したい。内郷商工会の再建にも協力する。私が先頭に立って、皆さんの声を受け止めるので、密接に連携を図っていきたい」と誓った。