いわき市の豪雨被災者に向けて 公営住宅の一時提供始まる
市は4日、いわき市を襲った台風13号に関連した記録的大雨に伴い、住宅に被害を受けて生活が困難になった市民に対して、一時提供住宅の入居者説明会を開催した。入居者説明会は、内郷高坂町の市総合保健福祉センターで行われ、7世帯に公営住宅の鍵が引き渡された。いわき市で初めて線状降水帯が発生した豪雨から、間もなく1カ月を迎える中、公営住宅への入居がかない、被災した市民は生活再建に向けた新たな一歩を踏み出した。
一時提供住宅は県と市の合同で取り組まれ、床上浸水以上の被害に遭った市民を対象に、市内の県営・市営住宅を無償で貸し出す。提供期間は原則3カ月間で、被災住宅の修繕・復旧状況によっては最長1年まで延長できる。
初回の募集では22カ所の公営住宅が用意され、9月20~26日に82世帯から申し込みがあった。ただ希望団地の重複が少なからずあったため、入居が決まったのは26戸にとどまっている。
説明会では入居の手順や電気、水道、ガスの取り扱い方などが説明されたほか、それぞれの住まいの概要について伝えられた。
内郷内町の会社員宮原満さん(67)は、自宅が1・4mまで床上浸水し、大規模半壊となった。一時提供住宅として、久之浜町の市災害公営住宅「久之浜東団地」での生活が決まり、「期間は短いがひと段落して、ほっとしている。次のステップは引っ越してから考えるしかないが、一つ一つ前向きに取り組んでいきたい」と安ど感をにじませていた。
市は7~13日、一時提供住宅の二次募集を実施する。市営住宅14カ所、県営住宅12カ所の計66戸。新たに内郷地区の公営住宅を修繕して、入居できるよう整備した。
受け付けは市文化センター、市勿来、市内郷支所、内郷内町立町、内郷白水町上代現地支援センター。り災証明書などの提出が必要となる。抽選は16日、使用可能日は19日ごろを予定している。問い合わせは、市住宅営繕課=電話(24)7497=まで。
同課入退去係の阿部登主任主査兼係長は二次募集にあたり、「今後も賃貸型応急住宅も合わせて、被災された方の住宅支援をしていきたい」と被災者の安定した生活に尽力することを誓った。