いわき市戦没者追悼式 4年ぶり通常開催 遺族代表「平和の尊さ語り継ぐ」
いわき市出身の戦没者7500余柱を追悼し、平和を願う令和5年度「市戦没者追悼式」が10月31日、市文化センター大ホールで開かれた。追悼式は新型コロナウイルス感染症の影響で、来賓と遺族会支部長のみの参加だったが、4年ぶりに通常開催となった。
本年度は来賓、市内各支部の遺族会員など約110人が出席。内田市長が「幾多の教訓を次の世代に語り継ぎ、世界の恒久平和の実現に向けた努力に務める責務が私たちに課せられている」と語りながら、〝人づくり日本一のまち〟を目指すことを誓い、大峯英之市議会議長、森雅子参院議員らが式辞に立った。
引き続き遺族を代表して、寺内重男さん(84)=内郷綴町=が登壇し、太平洋戦争終戦後の1945(昭和20)年8月26日に、フィリピンで戦死した父光男さん=享年34=を偲(しの)びつつ、「今日の平穏な生活は、戦没者の尊い犠牲の上に築かれたものであることを決して忘れてはならない」と強調した。
さらに世界各国で戦争や紛争が続発していることを踏まえ、「戦争の悲惨さと平和の尊さを孫、ひ孫の世代に永遠に語り継ぐことを肝に銘じ、活動していきたい」と追悼の辞を述べた。
最後に内田市長、寺内さん、大峯議長、清水良祐市遺族連合会長らが献花。式終了後には、市遺族連合会主催の戦没者慰霊祭が開かれ、出席者たちは立鉾鹿島神社の佐藤大和宮司らによる祭事が執り行われる中、戦没者の冥福を静かに祈った。