いわき市にクマか? 遠野町深山田で糞のようなもの見つかる
今月5日と14日に、遠野町深山田地内の集落の一角で、ツキノワグマのものとみられる糞(ふん)が見つかった。どちらも70代男性が自宅の庭で発見したといい、14日に見つかった糞にはドングリの皮とみられるものが混入していたことから、16日に県から連絡を受けた市では熊の糞の可能性があるとみて、17日午後にも市防災メールで市民に注意喚起を呼び掛けた。
県、市によると、いわき市ではツキノワグマの目撃情報や被害は確認されていないが、昨秋はドングリ、ブナなどの堅果類が豊作だったことを背景に子グマが増え、中通りや会津地方では今年の春から夏にかけ、人里へのクマの出没や人身事故が相次いでいる。
今季は堅果類が凶作と予想され、冬眠前にエサを求めてツキノワグマが活発化し、行動範囲が広まることから、人里への出没が懸念されている。9月1日から11月30日まで「ツキノワグマ出没特別注意報(終期)」が発令されているが、立冬を過ぎても目撃情報は後を絶たない。
長年「阿武隈川以東にをクマはいない」といわれてきたが、近年は双葉郡などでも目撃情報が寄せられており、これまで出没しなかった地域にクマが出る可能性も指摘されている。
発見した男性によると、最初に見つけたのは5日午前9時すぎ。庭木の手入れをしようと外に出たところ、人の大きさほどの糞が目に付いた。男性は渓流釣りが好きで、自然豊かないわき市に住まいを移したために植物や野生動物の生態に詳しい。
シカやイノシシとは形状などが違うため、県自然保護課に通報した。14日にも庭で同様の糞を見つけた。