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湯の岳山荘、海竜の里が用途廃止 下水道料金は来年1月値上げへ いわき市

 市は30日、12月7日開会予定の市議会12月定例会に向け、議案60件の提出を発表した。公共施設関連の条例改正案としては、常磐藤原町の湯の岳山荘、大久町の市海竜の里センターについて、来年3月末をもって用途廃止にする方針を示した。いずれも老朽化を背景としており、民間譲渡は排除しない。
 内郷地区の保育所のうち、御厩、高坂の両保育所を統合して、来年4月から内郷高坂町に内郷保育所を新設し、市内郷子育て支援センターを併設する。このほか下水道の条例を改正し、来年1月から使用料を平均23・23%引き上げる考え。経営審議会の答申を踏まえた措置で、1カ月当たりの基本使用料(10立方mまで)は1674・20円から、2065・80円に値上げされる。請求は同4月から適用される。
 学校給食共同調理場(給調=給食センター)の整備として、財産取得も議案に盛り込まれた。好間町今新田の平北部給調と、三和町下市萱の三和給調を移転・改築し、好間工業団地に新しく建設する。2028(令和10)年までの供用開始としているが、できる限りの前倒しを目指していく。
 <「次世代に向けても必要な施設」指定管理者の木田会長>
 「湯の岳山荘に代わる施設はない。市と連携して、うまく活用する方法を模索したい」。湯の岳山荘の指定管理者で、NPO法人いわきの森に親しむ会の会長・木田章一さん(68)は、用途廃止の方針に訴えかける。
 同会は2001(平成13)年、うつくしま未来博の取り組みをきっかけに、里山振興を図る団体として発足。04年にNPO法人化し、05年から湯の岳山荘の指定管理者を務めている。
 学校対象や企業の福利厚生として、自然教室などを開催しており、昨年度は計2754人の利用があった。市は公共施設の縮減を検討する中で、湯の岳山荘の利活用に向けた調査を実施し、同会のみが手を挙げた。
 宿泊設備もあり、冬季はロッククライミングができる岩場で、近接する常磐湯本町の「青葉の岩場」のため、県内外から約200人が足を運んでおり、観光振興の一端を担っている。東日本大震災や東日本台風に加え、9月の豪雨では、ボランティアの拠点ともなった。
 ただ自主運営となると財源の問題が浮上する。「廃校利活用のように、市に賃貸を申し出たが認められなかった」と木田さん。自然に関する活動は公民館でもできると、市の担当者から言われたと明かすが、「街ではできない取り組みばかり」と強調する。「ここはまさに(内田市長が掲げる)『人づくり』に最適な環境。次世代に向けても、間違いなく必要な施設」と語った。

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