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いわき花火大会 来年度は東大先端研「人の流れ」実証実験へ 国内初

 8月に行われた「第68回いわき花火大会」の事業報告会は1日、イオンモールいわき小名浜で開かれた。実行委員会の関係者ら約60人が出席し、花火大会に加え、コロナ禍を乗り越え、4年ぶりに開催された前夜祭のいわきおどり小名浜大会、プレイベントのおなはま海遊祭について、それぞれの取り組みや次回への課題が示された。
 また東京大先端科学技術研究センターが、花火大会の人流調査発表に臨み、来年度は群集事故の未然防止に向けて、国内初とされる実証実験を展開すると明らかにした。
 報告会では、大会会長の内田市長が「花火大会は夏祭りの最大イベント。いわきの魅力あるコンテンツとして、今後も盛り上げてほしい」とあいさつ。正木好男実行委員長は「皆さんのおかげで、4年ぶりにフルスペックでの花火大会を実現できた。今後も特段の協力をお願いしたい」と呼びかけた。
 議事では各実行委員会による報告と、収支決算が承認された。報告会の席上、運営協力に関する感謝状が贈呈され、内田市長から小名浜海星高、五洋建設、山木工業、イオンモールいわき小名浜に贈られた。
 人流調査発表として、東大先端研の谷田桃子助教が登壇した。谷田氏は「渋滞学」で知られる西成研究室に所属し、安全に人の動きを確保するあり方をテーマとする。
 背景には昨年10月、韓国ソウルの繁華街・梨泰院(イテウォン)で、狭い路地で人が次々と倒れ、150人超が犠牲になった事故などがある。谷田氏は小型無人機「ドローン」や、来場者のスマートフォンのブルートゥース(近距離無線通信)、会場に設置した人数カウンターを活用し、本番直前も有料席の間が混雑し、立ち見をする人も多いと指摘した。
 「暗さや不慣れ、焦り、飲酒などがあると、群集事故が起きやすいと考えられる。いかに楽しさを保ったまま、リスクを下げられるか」と述べ、来年度は実行委員会と連携し、ライトを使った実証実験を提案した。
 あらかじめ人が多く集まると問題な場所を選定し、上部に照明を設置。一定数によって光ることで、花火が見づらくなると、「嫌な気持ちにならずに移動を促せる」(谷田氏)としている。こうした実証実験は例がないといい、谷田氏は「実際の花火大会に協力してもらえることが、何よりも大きい。群集事故を避けられるよう、あらゆる角度から検証できれば」と期待を寄せた。

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