四倉、久之浜・大久で「定額タクシー」実証運行 来年1月22日から
地域の実情に応じた交通手段の確保に向け、四倉、久之浜・大久地区では来年1月22日から、地元のタクシー会社と連携し、市が料金に補助金を出す「定額タクシー」の実証運行を開始する。永井吉明市都市建設部長が13日、市議会12月定例会で、川崎憲正議員(志帥会)の一般質問に今後の取り組みなどを示した。
市によると、四倉、久之浜・大久地区では、予約乗り合いによる「デマンド交通」の実証運行を行ってきたが、車両借り上げ費用や人件費に対して、実際の利用者が想定より少なく、事業採算性が課題となっていた。
このためタクシー会社に協力を仰ぎ、車両や人件費などの固定経費に関して、定額タクシーを通じて削減を図ることを決めた。
来年1月からの実証運行では、対象者を65歳以上、または運転免許証の返納者とし、1千円を超える運賃を補助することで、利用者の負担を減らしていく。タクシー会社にとっても、あらかじめ行き先を地区に隣接する商業施設や医療機関、公共交通機関等に限定することで、効率的に運行できる。
県内の自治体では南相馬市や田村郡小野町などで、細かい条件は異なるが、定額タクシーを実施している。
いわき市では11月、新常磐交通(本社・明治団地)が深刻な運転手不足や不採算を理由に、来年4月に大幅に路線バスを廃止・減便する計画を公表するなど、今後の市民の足を巡る問題が浮き彫りとなっている。
路線バスの廃止・減便は、通学する高校生や、自家用車を持たない高齢者に影響を与え、そもそも中山間地域では移動手段が限られている。さらに都市部の一部でも、公共交通不便地域が生じている。内田市長は地区ごとに交通手段を考えるとともに、政府が解禁に向けて議論している「ライドシェア」についても、積極的に検討する姿勢を取っている。