いわきFC 2年目のJ2 大倉社長「より地元の人が見たいと思う努力を」
サッカー・いわきFCにとって、2年目のJ2がスタートする。県勢初のJ2参戦となった昨季は、思うように勝ち星に恵まれず、シーズン途中での監督解任という初めての事態も経験したが、選手たちが奮起し、22チーム中18位の結果で残留を果たした。
昨季の立役者となった主力の移籍が相次いだ一方、若手を含めた新たな選手が加入し、再び高みを目指す戦いが始まる。3月にはスタジアムの整備に関して、一定の報告性も示される。チームの運営会社・いわきスポーツクラブの大倉智代表取締役に話を聞いた。ウェブでは抜粋して紹介したい。
――本年もよろしくお願いいたします。まずは昨季の振り返りから聞かせてください
事業面ではしっかりと黒字を出し、チケット収入は前年から3倍になった。人がスタジアムにたくさん来る兆しが見えたシーズンだった。ただ初のJ2のため、多くの課題も実感した。アクセスの部分や屋根の有無など、すぐに解決しないものもあるが、チームが始動した8年前には、こういう世界が広がるとは思わなかった。
昨季は平均3500人を目指したが、これはいわき市の人口の1%に過ぎない。いかに自分たちの手で収容率を上げられるか。まだまだ余白があると思うので、地元の人たちが見たいと思えるよう努力したい。
――田村雄三監督の手腕はいかがですか
監督交代に関しては、(田村)雄三はゼネラルマネージャーとして選手たちと接していたので、チームについても常に会話してきた。互いに話をする中で、「強度の高い練習をしよう」との考えで一致し、就任初日はその練習量にみんなぶっ倒れるほどだった。采配やメンバーは監督の権限だが、雄三なりにいくつかの答えを提示しつつ、選手を押し上げていった。
今季を迎えるにあたり、外部から改めて監督を招へいすることも考えたが、選手の移籍動向も踏まえ、雄三に加え、(強化部の)平松(大志)も含めて、昨年の反省を生かしながら、ちゃんと地に足を付けた編成でいこうと決めた。
――スタジアム整備について教えてください
スポーツ庁の「スタジアム・アリーナ改革推進事業」に基づき、3月までに成果物を提出する必要がある。分科会の議論や、子ども・若者を交えたユースフォーラムの意見、ホーム戦来場者から募ったスタジアムボイスも交え、スポーツ庁のフォーマットに応じて、スタジアム整備に関するビジョンに始まり、何種類か収支などを含めたシミュレーションを出す予定としている。
また、まちづくりの一環でもあるため、これまでの話し合いを理解してもらえるよう、広く市民の皆さんに向けた発表も行いたい。