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地域史研究家・小宅幸一さん 「歳月からの伝言」新刊 今回は「こ」の事柄

 いわき総合図書館の元館長で、いわき地域学會幹事などを務める地域史研究家の小宅幸一さん(72)=錦町=は、いわき地方の近現代史を五十音順の事典スタイルでまとめた生活記録史「いわき発・歳月からの伝言」(歴史春秋社)の第4巻「こ」を発刊した。
 今回は「こいのぼり、絵のぼり」から「コンピュータ」までの24項目を紹介。今回も幅広い年齢層の読者を意識し、いわき民報掲載の写真や記事を活用するなど、読みやすいように配慮した構成に。小宅さんは同書を通じ、いかに今の生活が過去の教訓の礎に成り立っているのか、その大切さを説いている。
 本書は、1901(明治34)年から2000(平成12)年までのいわき地方を振り返った弊紙連載「歳月からの伝言~記憶の隅に生きる20世紀~」(同年1月から1年間)を基本に、さまざまな事象を五十音の辞書スタイルで再構成したものとなり、8年もの歳月を費やして準備した。
 2020(令和2)年10月発行の第1巻「あ~お」を皮切りに、1年に1冊のペースで続編を送り出している。
 今回取り上げたのは、<1>こいのぼり・絵のぼり<2>講<3>公園(都市公園、自然公園)<4>公害<5>工業団地<6>郷倉<7>公衆電話<8>高速道路、高速バス<9>交通事故、交通安全<10>交通(道路)標識、交通ルール<11>高等女学校、女子高等学校<12>高度経済成長<13>交番<14>国際化、多文化共生<15>国勢調査<16>国民体育大会(国民スポーツ大会)<17>子どもの遊び(キャラクター玩具を除く)<18>ごみ<19>米(管理)<20>米(食味)<21>子守り<22>ゴルフ<23>コンニャク<24>コンピュータ――の24項目。
 それぞれの生活の中のさまざまな事象の変遷、歴史が、郷土史、民俗学に精通する小宅さん独自の視点で切り取られており、「過去と今はつながっている。教訓を自分の生活に役立ててほしい」と語り、同書が〝気付き〟のきっかけとなることを望んでいる。
 同書は全230ページで、価格は3300円(税込み)。ヤマニ書房など、市内の主要書店で取り扱っている。

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