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「いわき吹奏楽アカデミー」圧巻のステージ 部活動の地域移行あり方示す

 教職員の働き方改革を目的に、公立小・中学校の休日の部活動指導を民間団体にゆだねる「地域移行」の一環として、学校の垣根を超えて、市内の小・中学生が楽器に親しむ「いわき吹奏楽アカデミー」の発表会が28日、いわき芸術文化交流館「アリオス」で開かれた。参加を希望した児童・生徒77人に加え、地元の社会人吹奏楽団などから35人が協力し、総勢112人による圧巻のステージとともに、吹奏楽の新たなあり方が示された。
 いわき市は、全国でも吹奏楽が盛んな地として知られ、上位大会でも優秀な成績を残してきた。しかし少子化の影響は避けられず、大人数の編成が組めない学校が多いほか、指導による教職員の長時間労働も指摘されていた。
 県吹奏楽連盟では本年度、こうした問題の解決に向けて、支部ごとに学校外での活動を模索するため、吹奏楽塾の発足を決めた。いわき支部では、いわき吹奏楽アカデミーと名付けた。
 吹奏楽部の地域移行に向け、練習場所や大型楽器の扱いが課題に挙げられている。しかしいわき支部では、いわきアリオスが主催に入って全面的にサポートし、別館を割り当てたり、所有する楽器を貸し出したりすることで、いずれも問題にはならなかった。
 こうしたホールとの試みは全国でも珍しいとされ、全日本吹奏楽連盟も注目し、吹奏楽の専門誌でも取り上げられた。
 昨年6月から全5回にわたり、県吹奏楽連盟音楽監督を務め、磐城高や勿来工業高、医療創生大(旧いわき明星大)で、延べ19回の全日本吹奏楽コンクール(全国大会)出場に導いた根本直人さんが合奏指導を行った。
 地域移行の要となる民間団体の部分は、いわきシンフォニックウインドアンサンブル、吹奏楽団「凛」、いわきハルモニアオルケスタが担った。趣味で吹奏楽を続ける一般市民が、子どもたちの隣で吹きながら、奏法などを教えていった。
 発表会は、第61回いわき市吹奏楽新人演奏会の最後のプログラムとして組まれた。本番では練習の成果として、吹奏楽オリジナル楽曲の「マーチ・チャグ・チャグ」、フルートソロを交えたカーペンターズの「イエスタデイ・ワンス・モア」、吹奏楽編曲ではなじみのオペレッタ「喜歌劇『メリーウィドウ』セレクション」が披露され、その演奏に会場からはたくさんの拍手が送られた。

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