いわきに縁の刀剣披露 暮らしの伝承郷で「鑑賞展」開幕 赤羽刀に焦点も
日本美術刀剣保存協会いわき支部による「刀剣鑑賞展2024」が1日から、いわきニュータウンの市暮らしの伝承郷で始まった。いわき民報社などの後援。
同協会いわき支部は、いわき地方ゆかりの日本刀や、地元に残されている刀剣のプロジェクトを展開しており、中学生や市内在住の外国人も含め約30人の会員が活動している。
鑑賞展では、市の文化財をはじめ会員所蔵や、田人町に工房を構える刀匠・藤原宗永さんの作品など、計53振りが飾られており、今回は赤羽刀にも焦点を当てている。
赤羽刀は太平洋戦争の終結後、武装解除の一環で、連合国軍総司令部(GHQ)が接収した刀剣を指す。東京・赤羽に集められたことから、赤羽刀と呼ばれている。
国の所有として残されたものは、1999(平成11)年から縁のある自治体の博物館に譲与され、いわき市では市石炭・化石館「ほるる」に保管されており、その一部が刀剣展で並べられた。
会場では併せて、鹿児島県薩摩川内市の「甲冑(かっちゅう)工房丸武」が手がけた兜も展示されている。同社の兜は、米大リーグ・エンゼルスで昨季、本塁打を放った選手にかぶせるパフォーマンスで有名となり、大谷翔平選手(現ドジャース)の活躍とともに話題となった。
鈴木雅之副支部長は「いわきの歴史の中に多くの刀剣があり、この地に刀匠がいたことを伝える機会にしたい。後世にこうした思いを引き継ぐとともに、多くの市民の方に刀剣の魅力を知ってもらえれば」と話し、来場を呼びかけた。
11日まで(6日は休園日)。観覧料は一般340円、高校・高専・大学生220円、小・中学生170円。会期中には、個人蔵の日本刀の手入れと相談(持参の際は「銃砲刀剣登録証」が必要)、観賞の手引きの配布などを行っている。