いわき市の来年度予算案 教育や防災、医療など注力で「人づくり日本一」を
内田市長は8日、市の2024(令和6)年度当初予算案を発表した。一般会計の総額は1446億3528万2千円(前年比21億3202万8千円、1・5%減)で、3年ぶりに減少した。ただ一方で、自らが掲げる「人づくり日本一」の実現に向けて大きく4本の柱を立て、子育てや教育、防災力向上、DX(デジタルトランスフォーメーション)の本格化、産業振興など「人づくり投資予算2024」に注力。17億336万5千円を充て、2年連続で増やした。
人づくり投資予算2024では、増加する不登校の子どもたちに向けたチャレンジホームの拡充や、学力向上を図るための「学校カルテ」の拡大、UIJターンを考える若者への補助等を設定。地域住民の活動を支えるため、消防団DX推進事業や、新たな保健指導サポートプログラムも展開していく。福島国際研究教育機構(F―REI、エフレイ)と地元企業の連携、起業家支援、いわき市出身の芸術家を交えた文化振興、市職員の人材育成も進める。
災害対応も強化する。2019(令和元)年の東日本台風に加え、昨年9月の台風13号に関連した記録的豪雨を踏まえ、「雨水対策・防災パッケージ予算」を組み、合わせて63億5006万4千円を盛り込んだ。排水や雨水貯留といった施設の整備を促進する。
市民の足を支える事業として、「いわき公共交通緊急プラン!パッケージ予算」には、4億856万5千円を付けた。新常磐交通に対する補助をはじめ、地域のニーズに合わせた交通のあり方を提案し、学校再編によるスクールバスも設ける。
医療環境改善も喫緊の課題と認識し、「医師確保強化パッケージ予算」は4億57万2千円としている。大学医学部への寄付講座を通じ、市内の医療機関に腎臓・高血圧内科の専門医を呼ぶ。高校生に地元での医師を志してもらうため、医学ゼミも広げる。
また老朽化する公共施設の対策に68億9650万7千円、より良い市民サービスにもつながる構造改革推進関連に13億3541万4千円となっている。これら予算案の実行により、「若者から高齢者まであらゆる世代がいわきに魅力を感じ、誇りに思うまち」を作り上げていく、としている。