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ウクライナ侵攻2年 避難するビシャズさん マルトで恩返しのインターン

 ロシアによるウクライナ侵攻から、24日で2年を迎えた。国連ウクライナ人権監視団(HRMMU)によると、侵攻開始から今月15日までに、ウクライナで少なくとも1万582人の民間人が死亡した。また出入国在留管理庁によると、20日時点で、日本には2099人のウクライナ避難民が滞在している。
 いわき市でも戦禍を逃れた人たちが生活しているが、東日本国際大に留学するソフィア・ビシャズさん(20)は遠いふるさとを思いながら、9月に修了を控え、次の一歩を踏み出そうとしている。
 食品衛生白衣を身にまとい、他の従業員とともに、手際よくパンの包装や陳列を進めるビシャズさんの姿が、買い物客でにぎわうスーパーマーケット・マルトのSC平尼子店(平字尼子町)にあった。現時点では修了後の進路が定まっていないため、マルトからの誘いを受けて、21日から本格的に働き始めた。
 マルトでは避難するウクライナ人留学生に対して、食料や日用品、電化製品の無償提供を続けており、ビシャズさんは「困難な状況の私たちに、温かいご支援をいただいた。少しでも恩返しできれば」と話す。
 出身はウクライナ南東部のマリウポリ。侵攻当初に激戦地となり、いまはロシアが実効支配している。首都キーウの大学で日本語を専攻していたが、侵攻初日の2022(令和4)年2月24日は実家におり、空爆を目の当たりにした。父方の祖母は犠牲になった。
 孤立した地域から民間人を安全に退避させる「人道回廊」を使い、マリウポリを脱出。日本財団の支援もあって、同年9月に東日本国際大の留学生別科に入学した。学位を取るため、オンラインでキーウの大学の授業にも出席しながら、修了後の生活を考えていたところ、正社員を含めて、外国人雇用に積極的なマルトが快く引き受けてくれた。
 「いわきは自然も豊かで、過ごしやすく、とても大好きな場所です。友だちもできました」と笑顔を見せるビシャズさん。ウクライナでは1986(昭和61)年にチョルノービリ原発事故があり、同じく原発事故を経験した福島にも心を寄せる。「皆さんの痛みはとても分かります」とも述べる。
 将来の夢は、日本語講師や通訳として働くこと。一日も早い平和な日を願い、いわき市で新たな経験を積んでいく。
 (写真:他の従業員と一緒にパンの包装を行うビシャズさん)

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