日経平均の最高値更新 水戸証券いわき支店「今回はバブルではない」
東京株式市場の日経平均株価は22日、終値で3万9098円68銭(前日比836円52銭高)となり、1989(平成元)年12月29日に記録した終値の史上最高値(3万8915円87銭)を34年2カ月ぶりに更新した。取引時間中には一時、900円近く上昇して3万9156円97銭を付けた。
こうした状況について、水戸証券いわき支店の川松裕之支店長は「年初来から外国人投資家の買い越しが目立ち、東京エレクトロン、アドバンテストといった半導体関連銘柄や、トヨタ自動車などの優良株がけん引役となった」と話す。
重要な点としては、前回の史上最高値とは異なり、今回は「バブルではない」とも強調する。
1株当たりの純利益に対し、株価が何倍になっているかを示す「株価収益率(PER)」を比較すると、1989年の東証1部が60倍だったのに対し、現在のプライム市場は16・07倍にとどまる。上昇のピッチは速いが、相場の過熱感は高くなく、今後は4万円の大台も見えてくるという。
2月に入って2023年10~12月期の決算が出そろい、公表した企業のうち6割が、純利益で市場予想を上回った。好調な米国の景気を背景としており、内需系企業も値上げによって後押しされている。
かつては企業の内部留保の問題が取りざたされたが、東証の要請もあって、業績発表に合わせた配当金の増配や、自社株買いを打ち出す企業も増えた。
川松支店長によると、今年から始まった新NISA(少額投資非課税制度)も、相場にはプラスに働いている。昨年までの単月でのNISA買付金額は最高1686億円だったが、今年は1月の2週間で4600億円を超えており、関心の高さがうかがえる。
3月の春闘ではインフレ率を上回るベースアップが見込まれ、家計の所得が増えることで消費拡大につながり、企業業績も好影響を与える展望も示した。
「今後も新NISAを活用して、新たに始める投資家も多いと思う。県内にも魅力的な株主優待を持つ企業もあり、この機会に高配当銘柄のほか、中長期での保有を目的に、楽しみながら株式投資を行う人が増えることを期待している」と川松支店長。地元の対面式の証券会社として、今後も地域に寄り添う決意を見せた。
(資料写真:東京証券取引所)