<イベント案内>30日に「ありがとう 小川郷駅」開催 駅舎改修を前に
1915(大正4)年に開業した、JR磐越東線・小川郷駅。開業当初から小川出身の詩人草野心平をはじめ、地域住民に愛されてきた木造の駅舎が、この夏、老朽化を背景に改築工事に入ることが決まっている。
約30年にわたり、駅の利用促進を図るための環境整備活動などに尽力してきた「小川郷(さと)の会」(草野充宏会長)は30日、別れを惜しみつつもこれまでの感謝の気持ちを伝えようと、「ありがとう 小川郷駅」と題したイベントを同駅で開催する。
当初は住民を挙げての〝お別れ会〟を予定していたが、「正直寂しい気持ちでいっぱい。ただ残念な思いでお別れするのではなく、利用する方々に癒しと温もりを与えてくれた駅に『ありがとう』の気持ちを伝える形で最後を迎えたい」(草野会長)との願いから、感謝のイベントとした。
当日は駅周辺で開催される恒例の「おがわ七夕飾り」終了後、午後6時半からイベントを開始。同社の理解を得て、市内在住で音楽をはじめジャンルを超えた自由な表現活動を続けている、木田京さんがピアノ演奏を披露する。
木田さんは心平の詩に独自のメロディーを付け、楽曲を創作するなどの活動もしているといい、草野さんは「駅は人間でいうと今年『茶寿のお祝い』。ぜひ心平の楽曲を披露していただき、心平をはじめ、これまで多くの人々を見送り、また『おかえり』と迎えてくれた木造駅舎で、じっくりと貴重な時間を過ごしてほしい」と願う。
使用するピアノにも思い入れがある。〝誰でも自由に弾ける駅ピアノ〟として4年ほど前に駅舎に設置する予定だった、市民から寄贈を受けたものだ。しかしコロナ禍でお蔵入りに。そのまま駅舎の改築が決まったため、このイベントが〝最初で最後のお披露目〟となる。
木田さんのピアノ演奏後、午後7時からは誰でもピアノが弾けるフリータイムに。当日来場する人だれしもが、趣のある木造駅舎で最後の思い出が作れる機会を設ける。イベントは誰でも参加できる。