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平和と共生の世界を

「平和と共生の世界を」
シェイパー 斉藤 勇樹さん(仁井田町)

スケートボード(スケボー)やサーフィン仲間から呼ばれる愛称は「アメリカン」。築50年の古民家を改装した自宅兼工房で一枚板を削り、主にスケボーを制作している。ひげをたくわえた褐色の肌。南東向きの大きな窓から差し込む陽光を背に、乗り手をイメージしながら唯一無二の造形を生み出す。板と会話するかのような慈しみの表情でボードに命を吹き込んでいる。

仁井田町のシェイパー斉藤勇樹さん(37)。地元出身で高校1年の時に「浮遊感が魅力」のスケボーに夢中になった。卒業後はスケボー関連の専門学校(東京)に進学。プロのスケーターを目指して夜な夜な新宿や吉祥寺で技を磨いた。
流行している新しい技を身に付けるために猛特訓を重ね、傷んだボードは使い捨ての世界。疑問を感じ、ボードのリサイクルに取り組むとともに、自然の中に身を置きたいと、20代半ばで地元にUターンした。
帰郷して1年後に発生した東日本大震災、東京電力福島第1原子力発電所事故が転機に。人の生活や自然を根底から覆す圧倒的な破壊力に「目が覚めた」。資源浪費型のグローバル社会では「今後、地球がもたない」と感じた。
自分が関わってきたスケボーの世界で平和や共生のメッセージを伝えたい――。屋号は、サンスクリット語で無常を意味する「アニトヤ」。国内産のサクラやケヤキなどの板を特注のかんなや紙やすりで徹底的に磨き上げる。とがったところがない流線型のボードを芸術作品と評する人も多い。
東京五輪で人気が出た横乗りスポーツは本来、人と争う競技ではないと感じている。スケーターやサーファー仲間、自らをモデルに自然と調和したメッセージを込めた映像作品も制作。ユーチューブなどで発信している。
鳥のさえずりに意識を向け、風や波などの自然を肌で感じてもらいたい――。「地球の懐に抱かれた人はきっと、自分や他人、他の生物や地球に優しくなれるはずだから」。連絡先はフェイスブックやインスタグラム=anitoya-production。

 

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