ビジネススーツに身を包み、緊張の連続だった新入社員も入社1カ月が過ぎ、仕事に、職場にだいぶ慣れたことだろう▼このころになると「気持ちがさえない」「無力感に陥る」といった、心の問題を訴える新入社員が増える。いわゆる「五月病」だ。研修も終え実際の職場に配属されると、自分が思い描いていた仕事の理想と現実のギャップに悩み、揚げ句に退職してしまう▼一昔前なら仕事だから嫌なことや大変なことはたくさんある、思い通りの仕事はそんなにないなどと、上司から叱咤激励を受けたものだ。ただ、中には「適応障害」と呼ばれる病気もあるだけに、単に気持ちの持ちようだけでは済まされないものもある▼心の病の場合、外見では判断しにくいため、本人以外気づかないケースが少なくない。職場にも溶け込めず、上司にも相談できず悩んだ末、自らの命を絶つようなことにでもなったら大変だ。先輩や上司はこの時期の新入社員の行動には注意を。