地球の温暖化によって平均気温が年々上昇し、日本はこれから亜熱帯のような気候になるのだという▼今年も梅雨入りしたが、それに合わせるように梅雨前線が日本列島に大雨をもたらしている。1カ月に降る雨の量がわずか1日で記録した、というニュースを聞くたびに、いったいどれだけの激しさなのだろうと思う▼〝バケツの水をひっくり返したような〟とは豪雨のたとえだが、まさにそんな勢いなのだろう。そして1度の集中豪雨で、川に転落したり大きながけ崩れが起きるなどして、必ずと言っていいほど犠牲者が出るのも昨今の特徴だ▼梅雨明けが発表されなかったり、春と秋の時期が短くなったりと、日本の良さである四季がはっきりしなくなった。小ぬか雨、細雨、霧雨、涙雨、煙雨など、日本語にはほんの少し降る雨にさえさまざまな言い回しがあるのだが、そんな風流も吹き飛ぶ暴雨である。決してよそ事ではない。大雨による被害には注意を払いたい。
片隅抄