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片隅抄

2014.08.13

二度とあの悲惨な体験を繰り返さないためにも、戦争を後世に語り継ぐことが大事だ―8月に入るとそんな声を耳にする機会が増える▼戦争体験者の高齢化が進む中、戦争の記憶の風化は止めようがない。「自分たちのようなひどい体験をさせないためにも、1人でも多くの人たちに伝えていくことが生き残ったものの務めだ」と話すのは、戦争で肉親を失った80歳代の女性▼先日、広島に原爆を落とした米国B29の最後の搭乗員が亡くなった。生前この搭乗員は「原爆投下は戦争を早く終結させるために、しかたのないものだった」と自身の回想録で述べている。正しい選択なのか否かは別にして、戦争は殺すか殺されるかという極限状態に人を追い詰める。そう考えると戦争に被害者、加害者の区別はない▼69回目の終戦記念日にあたり、日本人であろうとなかろうと戦争で犠牲になったすべての人たちの冥福を祈りたい。8月15日はあらためて反戦、恒久平和を誓う日だ。

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