先日、京都・清水寺で発表になった、今年1年の世相を表す漢字は「税」だった▼これは、日本漢字能力検定協会が一般公募し、最も応募の多かった漢字が選ばれるのだが、消費税の引き上げや、さらなる増税の議論等を反映しているもので、納得される方も多いのではないだろうか▼その消費税は土壇場で10%への引き上げが先送りされた。デフレ脱却へのアベノミクス最大の関心事であった消費税増税に陰りが見られた瞬間でもあった。民主党に「国民生活放り出し解散」と揶揄されながらも、先週の総選挙に打って出た▼社会福祉制度の確立など、ある意味増税はやむを得ないという雰囲気は国民の中にあるのは事実だろう。しかし、とどまるところを知らない政務調査費の問題等、税の無駄遣いが国民を納得させられない。さらに、今回の総選挙には700億円も税が使われている。「机上の論理」で政治はできない。生の声を素直に聞き、現場第一主義の政治が求められる。