安倍政権が仕掛けた乾坤一擲の大勝負、衆院解散・総選挙。野党の準備不足を突き、周到に練られた作戦だった感がある。追い風、逆風もなく終わってみれば、各党悲喜こもごも▼焦る野党は候補者調整を図り「1強打倒」を旗印に選挙戦を展開したものの、結果は自民・公明連立与党に300議席を超える絶対安定多数を許した。その反動も大きく、党の代表や元第3極の設立者も落選する結果になった▼県内でも変化が見られた。野党の猛追を受けた1区、4区の前職は辛勝、または逆転された。いわき・相双を範囲とする5区でも前職同士の公認問題が尾を引き、順風とはならなかった▼いわき選出の衆参両議員5人も選挙後は3人に減った。今回、真っ向勝負と戦わずして敗れた2候補者。進退について明らかではないが、長年培った経験、実行力を今後も復興に注いでもらいたい。まして現職には、それ以上の期待がかかる。言うまでもないことだ。