先日、私用で上京した。訪れたその地は武蔵村山市。中央線、立川駅から北に、埼玉県との県境のところだ▼初めて行くところだった。出張では日比谷界隈、大学も、東京での職場も都心だったのだから当たり前だが、改めて東京の広さを目の当たりにした感じだった。すぐ近くに横田基地、北に行けば多摩湖。今では住宅が立ち並ぶ、東京のベッドタウン。その合間に畑が広がり昔ののどかな一面も残している▼その住宅街を縫うように走っているモノレールの駅まで乗ったタクシーの運転手さんは、「この辺りは、以前陸の孤島と言われていたんですよ。モノレールが開通して変わりました」と話していた▼用地買収など初期投資の少ないモノレールは、狭い日本には最適な交通機関かもしれない。かつて、路面電車構想を掲げた団体があったが、小名浜と平を結ぶ新交通システムを再考すべき時期かもしれない。コンパクトシティ構想にはその核を結ぶ導線が必要なのだから。
片隅抄