県立高校に合格した皆さん、おめでとう。毎年感じることだが、この日のまちは明るい。全体が笑顔に包まれている感があるのだ。きっと普段の何倍もの歓喜の声に空気も躍っているのだと勝手に思っている▼だが、合格は次への一歩に過ぎない。10代の皆は「この先の高校3年間はとても長い」と考えているかもしれない。でも、一生涯を通してみると、それはほんのあっという間だ。かつ人生の先行きを考える大切な時期でもある。しっかりと過ごしてほしいと思う▼また、試験を突破できずに悔し涙を流している君へ―長い人生の中で、若い時分の1度の失敗など何でもない。後の人生において、その経験が糧になっていることの方が多いものだ。社会に出れば、困難には山ほど出合う▼いま大切なのは腐らず前向きになることだ。「失敗は成功の母」であり「挫折こそが人を育てる」のだから。そうして強さをはぐくむことで必ず「最後に笑う者」になれると信じて。