この夏、休みらしい休みも取らなかったが友人が亡父の新盆で帰省したついでに彼の実家で一晩すごした。場所は三和町差塩。家の近く一帯に市の天然記念物「差塩湿原」が広がる▼20年ぶりに訪れたが記憶にある風景とは異なっていた。国道49号から入る道路は完全に舗装され、往復ともスムーズに走行できた。着くなり10年前に新築したという母屋でさっそく酒盛りが始まる。跡を継ぐ家人らとよもやま話に花が咲いた▼家では農業に加え和牛畜産も営み、ここ最近の好景気が肉の需要を増やしているという。酒量も増す中、話題は中山間地域に見られる独特の政治風土にもおよぶなど、なかなか興味ある話も聞くことができた▼翌朝は畑に実るナス、キュウリ、青トウガラシを好きなだけ取る。取材と違い、自分の手で行う収穫体験も楽しめた。しばらく周囲の緑を見ているうち、パソコンで疲れきった目も癒やされた。短時間ながら今夏唯一の息抜きとなった。