10月末に厚労省が発表した新規大卒就職者の、3年以内の離職率は32・3%。前年よりは0・1ポイントの低下という▼ただ、平成7年の卒業者以降、1年を除いては、新規大卒者の3年以内の離職率はずっと30%超だ。離職率は、有給休暇取得率や法定外福利費が低い宿泊・飲食サービス業、また規模の小さい企業などで高いが、離職原因は、こうした就労条件ばかりではないと思うのである▼離職者の中には、第一志望への就職だった人もいるだろう。が、さまざまな職種が数多く存在している現代において、20歳代前半の若者が、自分の進む道を1度で決めること自体が無理のかもしれない▼大切なのは「なぜ、働くか」を考えることだろう。若者には、やり直せる時間もある。急がず「自分の道」をひらいていくことだ。そうした若者のために、もし可能なら、離職者の転職後の定着率や、何度目の転職で適職に就けたかなどの統計もあればいいと考えるのは、老婆心か。