11月も中盤、街は既に年末商戦に入っている。歳暮用品コーナーの設置に合わせ、おせち料理の予約受け付けも始まった▼おせちに関していえば、ラインアップされているのは価格も中身もやはり豪華版の重箱料理。でも、店などに注文するというスタイルが広がったのは、せいぜい20年前あたりからではないだろうか▼それまでは、材料を買い、暮れに何日かかけながら家で作ったものだった。今もそうする家庭はあるだろうが、一方で注文するのもごく一般的になった。そして、カタログに並ぶ万単位の価格も当たり前のようになっている今。日本はやはり、平和な国だと感じている▼そんな中、先週末はパリで発生した同時テロに世界中が震かんした。無差別な殺りくは悲惨なだけで何の解決にもならないことは明白なのに、なぜこんなことを起こすのか。この報道に、もし私たちの平和な日本がこんな脅威に見舞われたら―という恐怖を感じた人は少なくはないだろう。
片隅抄