転勤でいわきを離れる人や、慣れ親しんだ会社を定年で去る人、就職や大学進学で都会に出る人と、3月は別れの季節でもある▼先日、抄子が所属する団体で長年、事務員として働いていた女性が退職した。いただいた礼状には、32年間勤め上げた中での感謝の気持ちがつづられていた。世の退職者には、退職を機に生活も大きく変わるだけに、健康に留意し、あらたな出会いを求めて第二の人生を楽しんでもらいたいものだ▼今日は県立高校の卒業式。ここにも別れがある。卒業後は親元を離れて、社会に出る高校生も多いだろう。これまでとは違った環境での生活に、とまどいや初めての仕事に緊張しがちだが、それを楽しむぐらいがちょうどいい。入社式までの短い間、学友との別れを惜しむのもいいだろう▼別れがあれば出会いがある。来月になれば街中には、新入社員や中学、高校に進んだ子どもたちの明るい顔に出会う。3月、4月は別れと出会いの季節だ。
片隅抄