家のわきが小学校の通学路になっているため、朝の通学時間帯ともなると、子どもたちのにぎやかな声が聞こえる▼たまに庭にいると「おはようございます」と、子どもたちがあいさつして通り過ぎていく。恥ずかしそうに小さな声もあれば元気な声もありいろいろだ。はじめは子どもたちからの突然のあいさつにとまどったが、今は「おはよう」と普通に返せるようになった▼自分の小学校時代を振り返ると、学年が上になるに従って、友達にさえあいさつした記憶がない。それを考えると、この子どもたちには感心させられる。今日は会社に行きたくないと思っても、子どもたちの元気な声を聞くと、活力がわいてくるから不思議だ▼そこにいくと大人たちはどうだろうか。同じ町内を歩いていれば、知らない人でもあいさつは普通と思っていたが、返事が返ってくることは少ない。素晴らしい習慣はたとえ子どもであっても、見習うべきところは見習うべきだろう。
片隅抄